胃がん
胃がん
胃壁は何層にもなっていますが、胃がんは最も内側にある粘膜に発生します。ピロリ菌感染やそれによる慢性的な炎症により萎縮性胃炎を発症するとリスクが大幅に上昇します。早期には自覚症状に乏しく、かなり進行してからはじめて気付くことが多くなっています。進行すると胃壁の外側に向けて湿潤していき、リンパ節や周囲の臓器に転移する可能性が高くなります。大腸や膵臓、腹膜に直接広がってしまうこともあるため、注意が必要です。男女比では男性の発症が多く、年代でみると50歳頃に増加しはじめて80歳代がピークとなります。発症リスクの上がる40~50歳を超えたら、症状が特になくても内視鏡検査を受けるようおすすめしています。また、ピロリ菌感染や胃がんを発症したご家族がいる場合には、リスクが高いため早めに内視鏡検査を受けるようおすすめします。
症状
早期には自覚症状が乏しく、進行した場合の症状には、みぞおちの痛み、胸のあたりの不快感や違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振、飲み込みにくさ、つかえ、体重減少などがあります。ただし、進行しても症状がほとんど現れず、転移した先の症状で気付くこともあります。
早期胃がんで発見されるのは定期的な胃内視鏡検査によるものが多いのですが、がんに潰瘍が伴っていると痛みや出血で気付くケースもあります。ただし、こうした症状は胃潰瘍の症状とも共通しているため、内視鏡検査を受けないと見逃されてしまう可能性もあります。胃に何かしらの症状がある場合、またピロリ菌感染の可能性がある場合はできるだけ早く内視鏡検査を受けてください。